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犯されたネクロマンサー2

使い果たした実験材料は文献からもなかなか見つからない。
カミラは実験材料の在り処を聞きに行く。
そこで恐ろしい真実を知る。

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 探し人はなかなか見つからなかった。

 自分の部屋にもいないとなると、手間がかかる。なまじ広い屋敷なばかりに探すのも大変
なのだ。クリスティンの部屋で待てばいつか会えるだろう。動いていないと落ちつかない性
質なのだ。

 豪華な彫琢が設えられ、床にはカーペットがかけられている。静かな足取りで、カミラは
階段を降りていく。

――お姉さま……

 階段を降りたところで、エイプリルと鉢合わせした。

 エイプリルは、カミラが敬愛する姉だ。動作の一つとっても上品で優雅なのだ。ふとした
ときに見せる仕草には、つい見惚れてしまう。
 上品なドレスに身にまとうエイプリル。膝まであるスカートがふわふわと舞いあがった。
歩くたびに綺麗な曲線の太ももがのぞく。きらびやかなブーツに身を包み、音もなく歩く。
すらっとしつつも、凹凸の豊かな全身。あこがれのボディだった。

 肌が露わになる衣装で、鎖骨が浮き出ている。上半分の胸元が露わになり、きめ細かい肌
がはずんだ。手袋をしている二の腕は、布に隠れている。腕のつけ根の部分は露出するデザ
インになっていて、ひどく色っぽい。

「こんにちわ、カミラ」

 エイプリルは、にこっとほほ笑む。
 胸が温かくなった。そのお顔を拝見しているだけで、幸福な気分にひたれる。甘くとろけ
てしまいそうだ。

「お姉さま――今日はお出かけですか」
「そうね。すこし用事が入ってしまって、行く場所ができたの」

 エイプリルは目つきを鋭くした。

 切れ長の瞳は人を遠ざけ、ほっそりとしたあごのラインが美しい。眉はほっそりとしてい
て、エイプリルの表情を際立たせるアクセントになっている。プルプルとした唇は、鮮やか
な桃色だ。

 カミラは、いつもあんなふうになれたらと憧れている。

「私とちがって、お姉さまは引く手あまたですもの。忙しいですよね」

 エイプリルは美貌ばかりではなく、卓越した頭脳の持ち主でもある。まだ若いながらも、
流行の学問や武術も極めている。もちろんネクロマンサーとしての能力も、申し分ない。

――いいな……お姉さまは、私の誇り。

「ありがとう。カミラも、私みたいになれるわ。だって、一生懸命に努力してるんですも
の」

「絶対……私、お姉さまに追いついてみせます」
「待ってるわ。カミラに負けないように、私もがんばらないと」

 カミラが期待に潤んだ瞳でエイプリルを見つめていると、視界のすみに見知った顔がよ
ぎる。そこには、探し人のクリスティンがいた。
 クリスティンはエイプリルの後ろで静かにひかえ、ことの成り行きを静観している。両
手を膝の前であわせ、落ちついた存在感をはなつ。

「クリスティン」

 探し人を発見したカミラは、勢いで口をひらいてしまう。目的の人物を発見できたはず
みで、カミラはエイプリルとクリスティンのあいだに割って入った。
 エイプリルはカミラとクリスティンを交互に見比べる。

「あら、カミラはクリスティンに用だったのね」
「えっ……いえ、もちろんお姉さまに会えたのも嬉しいです。クリスティンにはちょっと
用があって」

 カミラはあたふたと弁解をする。
 エイプリルはくすくすとカミラをからかうのだ。エイプリルがクリスティンに目で合図す
ると、クリスティンは前に進み出た。

 クリスティンはやんわりとほほ笑み、カミラと目線をあわせる。
 メイド服に身をつつんだ柔らかなな曲線。しろい布を胸元にひきさげ、スカートで下半身
を隠す。全体的に露出は少なく、腕まですっぽり衣服で覆い隠している。慎ましい胸は衣服
をもちあげ、控えめに自己主張している。
 おっとりした顔立ちが、優しい雰囲気を漂わせる。その場にいるだけで、安心して眠って
しまいそうだ。

 アーモンド形の瞳に、ひかえめな鼻。ほのかに色づく唇が、かわいらしい乙女を演出して
いた。

「どうかなさいましたか、お嬢様」
「実は、聞きたいことがあるの。実験に使用する果物が切れてしまって……」
「もう使いきってしまわれたのですか。お嬢様は、勤勉ですね」
 おどろいたクリスティンは、目をぱちくりさせる。

 カミラは自慢げに、胸をつきだした。爛々と瞳を輝かせ、あらぬほうに目を向ける。

「当然よ。絶対に、ご先祖様の悲願を達成させるって――誓ったんだもの」
「お嬢様――きっとご先祖様も、お喜びでしょう」
「そ、そうかな」

「尊敬します。私が生きているうちに、お嬢様の願いが叶えばいいですね……」
「待ってて、クリステイン。期待には、応えて見せるから」
「いさましいわね」

 エイプリルが隣で、温かな眼差しをおくる。

「ネクロマンサーの家に生まれたんですもの。それが、私の存在理由です」
「立派な台詞……でも、無理は禁物よ」
「僭越ながら、申し上げます……お嬢様は気を張りつめすぎです。もうすこしラクにして
も……」
「ちょっとぐらいの無理なら平気です」

 エイプリルはやれやれと肩を竦める。恐縮したクリスティンは、口もとに手を当てて、
考えんでいる。

「そうですか……では、私はお嬢様が倒れないように見守っています」
「大げさだな。でっ、クリスティンに聞きたいことがあったんだ」
「私にですか」
「実験に使用する果物って、どこに生えてるの?」
「悪魔の果物ですか?」

 クリスティンは、さっと青ざめる。あわせた両手を、びくっと震わせる。驚愕したクリ
スティンは、恐る恐るカミラの様子をうかがう。
 エイプリルもクリスティンと同じ様子で、なにやら不穏な雰囲気を漂わせる。口もとを
引きつらせ、余裕のある笑みを消している。

――悪魔の果物?そうそう。たしかそんな感じの名前だったな。

 果物の名前を思い出したカミラは、能天気にほころんだ。

「相談なんだけど、悪魔の果物ってどこに生えてるんだっけ?」
「それを知ってどうするおつもりですか?」
「取りに行きたいんだけど、場所が分からなくて……自分で調べようにも、そういう文献
が見あたらないんだよね。たぶん、お父様がもってるんだとは思うけど……」

 うんうんと、自分で納得しているカミラ。場の空気に温度差があった。エイプリルとク
リスティンは神妙な面持ちにしずんでいる。

「あ、あれは……危険でございます」
「クリスティンは心配性だな」
「お嬢様が一人で取りにいくのは、正直……無謀です」

――無謀?バカにしないでほしい。

 カミラは頭にきた。自分が子供扱いされているようで、ぜんぜん納得がいかない。ネク
ロマンサーとして日々の鍛錬は大切にしているし、技術は向上しているはずだ。
 努力を認めないクリスティンに、反抗的な態度をとってしまう。

「私はもう一人前なの。クリスティンに心配されなくても、自分の身ぐらい守れる」
「い、いえ……けっしてお嬢様を過小評価しているわけではないのです……悪魔の身が映
えている場所は、一人前のネクロマンサーでも厳しいのです」
「でも、お姉さまはラクに攻略できますよね」

「たしかに慣れはあるわね。そう難しくはないわ」
「なら、私だって」
「でもね――気を抜くと、死ぬわ」

 エイプリルははっきりと告げた。その顔は真剣そのもので、目つきが鋭利になる。試す
ように、カミラを凝視していた。

――そんなお姉さまでも、死ぬなんて……

 カミラは息を呑み込んだ。昂った神経が急速に冷えていく。あんなに熱かった肌が、う
すら寒い。
 エイプリルは優れた術師だ。かつて幾度となく、奇跡とも呼べる術をカミラに披露して
くれた。あのときの感動は、カミラが成長した今でも色あせない。そんなエイプリルにま
で、そこまで不吉なことを言わせるなんて。カミラはためらった。

 危険と果物の魅力をはかりにかけ、どうするか迷う。

「――残念なことに、今日は家の者はいません。エイプリル様も私も、出かけなければい
けないのです。また、日をあらためたほうが……」

 クリスティンはカミラの目を覗きこんでくる。哀しい憂いにみちていた。心からカミラ
の安全を案じているのだ。
 ただお子様扱いされたのが癪にさわった。カミラはあえて危険なほうに進もうと決心す
る。

――私だって一人前なのに……お姉さまも、クリスティンも見かえしてあげる。一人でも、
果物を取ってこれるんだって。 

「大丈夫です。私も力をつけてきたし、自立もできます。二人して、私を甘やかしすぎだよ」
「危険すぎます……!」

 クリスティンはカミラの前に身を乗り出してきた。眉を鋭くつり上げ、緊迫した面持ち
だった。

「クリスティン――心配してくれるのは嬉しいけど……侮られるのって、あんまりいい気
分じゃないな」
「ですから、エイプリル様でさえ――」

 クリスティンが全部いい終えるより前に、エイプリルが横から水を差した。

「いいんじゃない。教えても。カミラもこう言ってることだし、私たちは信じましょう」

 クリスティンは沈黙した。もの言いたそうに口を開けるけど、そのうち口をつぐんでし
まう。呼吸を整えると、いつものように静かな佇まいにもどる。

――お姉さま――私を信じてくださるの?

 エイプリルに認められたことが嬉しかった。ほんのりと甘酸っぱい気持ちにひたり、意
地になった自分が恥ずかしくなる。癒された。上目遣いに、カミラはエイプリルを見上げ
た。
 エイプリルは慈悲深い微笑みで、カミラを受け止めてくれる。

「そうね。カミラにも実践をつませたほうがいいかもしれない。いい経験になるわね」
「あっ、ありがとう。お姉さま!」

 カミラはエイプリルに抱きついた。エイプリルの背中にまわした手に、力がこもる。

「いいのよ。でもね――」

 エイプリルは密着したカミラを離し、真摯に見つめてくる。そっと、カミラの頬に手で
触れると、柔らかくさすった。エイプリルの体温が、ふんわりとカミラに伝わった。
 身体の芯から、あたたかくなる。
 立ちのぼる芳香に、眠くなってしまいそうだ。

「――無理はしないでも。手に負えないと判断したら、すぐに逃げてね。あなたは私のか
わいい妹。失いたくないわ」
「お姉さま……」

 上気した頬がうらめしい。
 素直にエイプリルに甘えたいけど、プライドが甘えるのを拒んだ。大人になったところを
見せつけたかったのだ。流されそうになるのを、必死にこらえる。
 あたたかな雫が代わりにこぼれた。ほんのわずかで、誰にも分からないはずだ。

「さぁ。クリスティン。カミラに教えてあげて」
「――分かりました。ここから南西にいった場所に――」

 クリスティンは要点を的確にまとめ、いつもより早口にまくしたてる。顔からは笑みが
消えうせ、ピリッと静電気がはしっている。
 最後まで述べると、クリスティンは下がった。

 エイプリルはやれやれと肩を竦める。

 カミラのほほから手を離し、顔を近づけてくる。エイプリルの見目麗しい美貌が、真近
にせまった。桃色の唇が、カミラのほほに触れた。
 穏やかな気持ちに酔いしれる。ちょっとの間だったけど、精神的にすごく長い時間だっ
た。唇の触れた場所から、電流が身体をかけぬける。数秒が永遠にも似た時間に感じられ
る。

 エイプリルはようやく唇を遠ざけ、ウィンクをかざす。

「無事に帰ってきてね」

 唇の感触が残るほほに触れた。そこにはやわらかな人肌の名残があった。夢に浮かされ
たまま、カミラはこくりとうなずいた。



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長谷川名雪

Author:長谷川名雪
初めまして、長谷川名雪と申します。
シナリオライター・小説家などを目指して修行中です。
このサイトでは主にエッチぃな作品を載せていきます。
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